龍ヶ崎市における地域住民の
福祉意識に関する調査
W−5.介護保険に関する住民意識 |
4月からスタートした介護保険制度を知っていましたかという質問に対し、「知っていた」と答えた人は73.4%と約4分の3で、「名前だけ聞いた事がある」と答えた人は20.1%、「知らなかった」と答えた人は3.8%であった。
「知らなかった」という回答は農業地区、男性、20代、生まれたときからずっと住んでいる人で高くなっている。このうち特に年齢による認知度の違いが顕著であり、全体では「知っていた」は73.4%だが、20代では59.0%と最も低い。さらに20代の1割以上が「知らなかった」と回答している。全体で9割の人たちが名前くらいは知っていると答えているが、若い人の認知度がやや低いことが伺える。
「知っていた」と「名前だけ聞いた事がある」と答えた人に、どのような手段でそれを知ったのかを聞いたところ、「テレビ・ラジオ」(7割強)、「新聞・雑誌」(6割)、「市の広報・チラシ」(4割強)で知ったケースが多い。しかし、いずれの回答においても「知っていた」と回答した人は「名前だけ知っていた」と回答した人より15〜20%ほど比率が高くなっている。このほか「職場や学校」で知ったと答えた人が「知っていた」と回答した人は「名前だけ知っていた」と回答した人の2倍となっている。このうち「テレビ・ラジオ」は後期ニュータウン、30代未満、居住年数が10年未満の人、「新聞・雑誌」は前期ニュータウン、男性、40代〜60代未満、居住年数が10〜20年未満の人、「市の広報・チラシ」は前期ニュータウン、女性、40代、居住年数が5〜20年未満の人、「家族・友人・知人」は女性、居住年数が20年以上の人、「職場・学校」は男性、20代でそれぞれ他に比べ高くなっている。
次に、介護保険制度によって家族の介護負担は軽減される、もしくは、されたと思うかどうかについて質問したところ、軽減されていると思う人は22.9%、軽減されないと思う人は24.2%、変わらないと思っている人は11.2%であり、軽減されないと思っている人の方が若干多くなっている。ただ、分からないと答えた人が32.8%と一番多かった。属性別では軽減されると思っている人が多いのは、前期ニュータウンみ男性、50代以上、居住年数が10年以上20年未満の人であり、逆に軽減されないと思っている人が多いのは、後期ニュータウン地区、佐貫地区、女性、40代以下の人、居住年数が5年未満の人である。
「軽減される」と答えた人達の理由として、「サービスを利用して、自分の時間が持てるようになった。」というのが多かった。逆に、「軽減されなければ意味がない」ということを理由にする人も多かった。
介護保険制度に対して不安に思う事については、全体として、「納得のいく要介護認定が受けられるのか」「介護が必要になった時、すぐに対応してくれるのか」が共に5割以上となっており、以下「今後保険料が高くなるのではないか」(4割)、「希望するサービスが受けられるのか」(4割弱)、「利用できるサービスがわからない」(3割)という順になっている。介護保険制度に「特に不安はない」という回答は1.6%に過ぎない。
このうち、「納得のいく要介護認定が受けられるのか」という不安は、地区では前期ニュータウン地区、性別では女性、年齢では50代、居住年数では10〜20未満の人に多く、「介護が必要になった時、すぐに対応してくれるのか」という不安は性別では女性、年齢では50代、居住年数では5年以上の人に多くなっている。さらに「今後保険料が高くなるのではないか」という不安は、地区では後期ニュータウン、性別では女性で高く、「希望するサービスが受けられるのか」という回答は年齢が高くなるほど比率も高くなっている。
介護保険がスタートして半年が経過するが(調査時点では4ヶ月弱)、介護保険の認知度では、ほとんどの人が少なくても名前までは聞いたことがあると回答しており、認知度は比較的高いと言えよう。しかし、20代の若者の認知度が低いことが問題として指摘できる。介護保険を知った手段としてはテレビ、ラジオ、新聞、雑誌などのマスメディアがほとんどで、市の広報など身近なところで情報を得ている人は少ない。ただ、地域との関わりが強い女性や居住年数の長い人などは身近なところで情報を得ている人の割合も比較的高くなっている。また、介護保険制度によって家族の負担が軽減されないと思っている人の方が、軽減されると思っている人を上回っており、特に家族の中でも介護負担がもっとも掛かると思われる女性でそのような回答が多かったことが、注目されるところである。さらに、介護保険制度に対して不安や不満に思っていることは「納得のいく要介護認定が受けられるのか」「介護が必要になった時、すぐに対応してくれるのか」というものがいずれも5割を超しており、特に多くの項目で介護保険が利用が間近に迫ってる年代や家族介護の主たる担い手となっている女性で不安と思っている人の比率が高いのが気になる。